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The Story Behind Your Newly Acquired Watch vol.1 / Hamilton "Boulton" 1940s


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【Hamilton "Boulton" 1940s / 14KT YGF ケース 手巻き Cal.980】


過去数回に渡り大反響の「Antique Watch Exhibition」から、新たなオーナー様の元に旅立っていった時計を紹介していきます。

第一回は「Hamilton "Boulton" 1940s / 14KT YGF ケース 手巻き Cal.980」。

お客様はまだ20代前半の若いオーナー様ですが、一目惚れに近い感覚であっという間にご購入を決めていました笑。

メンテナンスが終わって納品する際に見せてくれた、嬉しそうな笑顔が本当に忘れられません。

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さて、以下時計の解説です。


1940年代に登場したハミルトンの "Boulton" は、アメリカンクラシックデザインの真髄を体現するモデルとして誕生。そのデザイン背景には、当時の時代精神とアメリカの時計産業の進化が色濃く反映されています。


■デザイン誕生の背景

1930年代から1940年代にかけて、アメリカでは大恐慌を乗り越え、個人の豊かさや美意識が徐々に回復していきました。そんな中でハミルトンは、「堅牢さ」と「洗練」、「実用性」と「エレガンス」の両立を目指し、アール・デコ様式にインスパイアされた多くの角型時計を展開。Boultonもその流れを受け、丸みを帯びたケースと流麗なラグ、そしてシンプルで上品なダイヤルデザインが特徴となっています。

デザイン名の「Boulton」は、アメリカの伝統に根ざしながらも、ヨーロッパ的な洗練さを感じさせる響きを持っています。曲線美を活かしたケースは、当時の腕時計トレンドであった角型ケースのなかでも群を抜いて優美で、スーツにもカジュアルにも合う万能性を誇っています。


■技術と美の融合

こちらのモデルには、14KT金張り(YGF)の高品質ケースと、信頼性に優れた手巻きCal.980ムーブメントを搭載。

このCal.980は、角型時計に合わせて設計されたムーブメントであり、合理的な構造と高いメンテナンス性を兼ね備えています。この技術力とデザイン性の融合こそ、ハミルトンがアメリカ時計業界のリーダーとして認められていた理由の一つといえます。


■時代を超えた価値

第二次世界大戦中、ハミルトンは米軍に公式腕時計を供給するなど、精密さと耐久性が特に重視されました。しかし戦後、人々は再び日常の美しさや個性を求めるようになり、Boultonのような洗練されたデザインの時計が人気を博していきます。シルバーダイヤルにアラビア数字、絶妙なバランスのケースサイズは、時代を超えて愛される理由となっています。

Boultonは、単なる時を刻む道具ではなく、「時代を映す鏡」として、アメリカンウォッチの歴史と美学を今に伝える名品だと思います。

 


いかがでしたか?タフな時計のイメージも強いハミルトンですが、掘り下げてみると実に様々なモデルをリリースしていることがわかります。

スポーティーで華美な時計が苦手な方なら、ハミルトンで探してみるのもオススメです。


最後までご覧下さり、ありがとうございました。

ここまで読み進められた皆様へ、一言ご挨拶が。


ようこそ時計沼へ笑。


では、また次回。


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「"small scale" Antique Watch Exhibition」

 2025.8.9 (土) - 11 (月) / 8.16 (土),17 (日) 5日間

  ※ 8/12(火) - 15(金) は夏季休業となります。


9月末に開催する「Antique Watch Exhibition」のプレイベントを開催。今回ご紹介した様なムードの時計を取り揃えます。ここでしか出会えない時計もあります。ぜひご覧になってみて下さい。



 
 
 

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